
おはようございます。エボラブルアジアSBCの深瀬です。
今回はオフショア開発の契約形態の1つである「ラボ型」について説明したいと思います。
オフショアという言葉については既に知っている方が多いと思いますが、ラボ型という言葉はちょっと馴染みの薄いキーワードです。しかし海外オフショアを検討するにあたって「受託型」か「ラボ型」のどちらが自社に適しているか考えることはとても重要です。
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目次
1.ラボ型開発とは?
1-1.ラボ型開発の体制図
1-2.メンバーとのコミュニケーション方法
2.ラボ型のメリット
2-1.ノウハウの蓄積ができる
2-2.最適人材の確保
2-3.自社のやり方を適用できる
2-4.コストメリット
3.ラボ型のデメリット
3-1.案件がなくてもコストが発生する
3-2.採用の際の人材の見極めが重要
3-3.言語や文化・習慣の違い
4.ラボを始める前に検討したいこと
4-1.拠点
4-2.価格
4-3.現地在住の日本人のフォロー
5.まとめ
1. ラボ型開発とは?
ラボ契約とはお客様の専属チームを作り、作業員を確保し業務を行う形を意味します。
料金についても受託と違い、メンバー毎に決められた人月単価(月額料金)を支払います。案件毎に見積を依頼する必要がないのでお客様はより開発業務に集中することができるのが特徴です。
海外でラボを作る場合、一般的には自社のノウハウをもった日本人のエンジニアやプロジェクトマネージャー、ディレクターが海外に駐在します。
場合によっては日本と海外を行き来したり、日本国内にいながら遠隔で現地とコミュニケーションを取ることもあります。
1-1. ラボ型開発の体制図
Web制作ラボの体制図の一例です。この場合BSEまたはコミュニケーターがプログラマー3名、デザイナー2名の間に入って日本側とコミュニケーションを取ります。
本コラムでは主にウェブ開発を目的としたラボについての話をしていきますが、BPOでも同じような形態でラボの運営ができます。
1-2. メンバーとのコミュニケーション方法
ラボ型としてチームを作る場合、プロジェクトの規模によって人数は異なりますが、以下のポジションの人材を入れてラボを運営するのが一般的です。
BSE(bridge system engineer):プロジェクトマネージャーとしての能力はもちろん、SEとしてのスキル・知識があり、現地の言葉に加え日本語も話せる人材です。他のポジションの人材に比べ価格が高くなります。
コミュニケーター:SEとしての経験はありませんが日本語と現地語の翻訳・通訳ができる職種です。一般的にウェブ制作ラボの場合、ITの基本的な知識に加え、日本語能力試験(JLPT)N2以上が必要です。
2. ラボ型のメリット
2-1. ノウハウの蓄積ができる
ラボ型の場合、ナレッジ(ノウハウ)の蓄積がしやすく、長期で行うにあたって効率の良いチームを作れます。1つのプロジェクトが終了した場合でも、契約期間中はまた次のプロジェクトを進めることができ、複数の案件がある場合にも柔軟に対応ができます。
2-2. 最適人材の確保
私がいるベトナムの場合、日本のIT人材と比較すると約3分の1の費用で技術の高い人材を採用することができます。日本語能力が高いスタッフや優秀なITエンジニアを採用できるため、コストメリットだけではなく、日本では不足しているIT人材を確保できるメリットがあります。
受託の場合、タイミングによっては依頼先のリソースが埋まっており対応できない場合もありますが、ラボ型ではその心配がありません。
2-3. 自社のやり方を適用できる
専属のチームになるためラボへの採用から立ち会うことができ、管理方法、やり取りをするツールなど自社のやり方を適用することができます。その為に変更や問題が起きた場合でも自社で対応ができ、よりスムーズに作業を進められます。
2-4. コストメリット
ラボの場合、人月単価(月額)の支払いとなる為、受託と違って案件毎に見積をとって依頼をする手間が省けます。
また受託の場合、依頼先でマネジメントや教育コストがかかりますが、ラボ型開発の場合はその費用が発生しません。ラボのメンバーが業務を覚え、且つ継続的に案件を流せるようになってくると、受託と比べ大きなコスト削減が期待できます。
3. ラボ型のデメリット
いざラボを立ち上げてみると思わぬ課題が発生したりすることもあります。オフショア立ち上げで失敗をしないよう、ラボ型のデメリットについても紹介しておきます。
3-1.案件がなくてもコストが発生する
ラボ型だと作業員を確保できるメリットがありますが、その期間中は一定量発注できるプロジェクトや大規模な案件の運用が必要になっていきます。単発案件の場合、逆に割高になってしまう可能性もあります。
またBSEやコミュニケーター、またはリーダーが起点となって1つのチームとして安定して稼働するまで時間がかかる場合があります。ラボの場合、長期的な視点での運営が必要です。
3-2.採用の際の人材の見極めが重要
オフショアを依頼する場合、オフショア会社が新たに社外から人員を採用する場合や、もともと依頼先の企業にいる従業員を適用する場合があります。
一番大事なのは自社に必要なスキルやレベルを考慮してチームを作る事ですが、ラボに入ってすぐに辞めてしまったり、スキルが足りないと感じてしまったりすることもあります。
スタッフの性格なども考慮してラボを作ると良いでしょう。
3-3.言語や文化・習慣の違い
日本の人材不足から、長期で運用できるラボ型は現在注目されていますが、言語や文化・習慣の違いから来るコミュニケーションの問題を不安だと感じる人も少なくないです。
ラボ開始時は今後のチーム運営を左右する大事な期間なので、外国人とのコミュニケーションが心配な方は以前ご案内した「ベトナム人とのコミュニケーション方法」のコラムも参考にして下さい。
「ラボ」、「受託」のメリット・デメリット一覧
ラボ | 受託 | |
メリット | ・ノウハウの蓄積ができる ・最適人材が確保できる ・自社のやり方を適用できる ・受託と比べたコストメリット |
・特定の時期のみ依頼ができる ・マネジメントや教育が不要 |
デメリット | ・案件がなくてもコストが発生する ・採用の際の人材の見極めが重要 ・言語や文化・習慣の違い |
・案件毎に見積依頼が必要 ・ラボ型と比べ価格が高い ・タイミングによっては発注できない |
4. ラボを始める前に検討したいこと
4-1.拠点
まずはどこの国、都市にオフショア拠点を構えるかを検討しましょう。
当然、国によって特徴が大きく異なります。また立ち上げ前の現地視察もラボを成功させる大事な要素です。オフィスの雰囲気や、駐在する場合は生活環境、治安、日本語が通じる病院があるかなども考慮しましょう。
こちらは「最新!ベトナムオフショアについて」の記事も参考になるかもしれません。
4-2.価格
中国は近年、人件費が上がっておりオフショアの拠点は他のアジアの国に移行しつつあります。ミャンマーなど人件費が他の東南アジアの国と比べて安価な場所もありますが、必要とするスキルを持った人材が豊富にいるか、すぐに採用できるかも含めて検討すると良いでしょう。
4-3.現地在住の日本人のフォロー
現地と日本を行ったり来たりする場合や遠隔でラボを運営する場合、現地のメンバーの様子がわかりづらいという欠点があります。その場合、依頼先の会社で現地に日本人スタッフが常駐しているか、またどういうビジネスサポートを行ってくれるか確認をした方が良いでしょう。
また駐在する場合、ビザや住宅の手配が必要です。その他にも追加で備品購入が必要になる場合があります。そういった支援体制のチェックも必要です。
5. まとめ
ラボを運営する場合、メンバーと定期的な打ち合わせを行ったり、親密なコミュニケーションをとって信頼関係を築くことがポイントです。
またスキルアップのためのメンバーの教育を行うことも効果的です。ただ指示をするのではなく、工夫、改善をしながら自社のチームの一員として、お互いに尊重し合える関係を目指しましょう。
大きなプロジェクトが終わった場合など、メンバーと一緒に達成感を味わえるのもラボの大きな魅力です。
ラボの運営について何かご相談がある場合はお気軽にお問い合わせ下さい。

ベトナムのホーチミン、ハノイ、ダナンに拠点のある日系最大手のオフショア開発会社のエボラブルアジアグループであるエボラブルアジアソリューションビジネスコンサルタンシー(SBC)はベトナムでWebサイト制作・BPO・SNSマーケティングのサービスを行っているオフショア会社です。
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